2006年1025日号


川崎重工がGTコージェネの販売を強化、M7Aの高効率化に成功く
 川崎重工業は、7千kW級ガスタービンM7A型をベースにしたM7A−03を開発、新型GTを搭載したコージェネレーションシステムPU80Dの販売を開始した。
 開発したM7A−03は、上位機種である20MW級のガスタービンL20Aで開発した最新技術を採用。各部位の要素効率のアップを図り、発電効率32.4%、総合効率81.7%という同クラスでの世界最高レベルの熱効率を達成している。コージェネシステムの発電出力は7230kW、蒸気発生量は15.7トン/時。
 希薄予燃焼方式によるDLE(Dry Low Emission)システムを採用し、厳しい国内のNOX規制値80ppm(O2=0%)にも適合が可能で、排ガスの後処理の脱硝設備の設置が不要で、設置スペースやコストの低減ができるほか、最新の材料、冷却技術の採用により耐久性の向上を図るなど、環境適合性やコストパフォーマンスを向上させている。
 川崎重工は、進化を遂げたM7A−03形ガスタービンを駆動源とするコージェネレーションシステムを標準化、発電効率はもとより総合熱効率にも優れたコージェネシステム「PU−80D」として販売を開始した。CO2削減対策が本格化する国内工場など向けや、東南アジアの日系企業などを中心に積極的なコージェネレーションシステムの導入機運が高まっている海外向けに積極的に拡販を図っていく。
 特に、国内ではガスタービンコージェネの特徴である熱需要が多い業種である製紙、化学、ゴム工業や半導体工場など向けの販売活動を強める。


川重グループが中国の熱供給事業向けにGTコージェネを受注
 川崎重工業はグループ会社のカワサキマシンシステムズが中国最大の熱供給会社である北京市熱力集団有限公司向けのガスタービンコージェネレーションシステム(1440kW)を受注したと発表した。中国電力技術進出口公司との共同受注。カワサキガスタービンを手記とするコージェネシステムの受注は中国では初めて。
 北京市内の熱供給ステーションに設置され、北京西駅とその周辺地域に1440kWの電力と毎時4.6トンの蒸気を供給する。従来の石炭焚きボイラによる熱供給と比べて蒸気1トン当たり一次エネルギーの消費が約50%削減できるとともにCO2排出量が88%削減できる。受注したシステムは1500kW級のカワサキガスタービンM1A−13Dを主機とする天然ガス焚きの発電設備と排熱回収ボイラで構成されており、カワサキマシンシステムズがシステム全体の提案と供給、また、技術支援や教育協力、中国技術進出口公司が詳細設計と施工、現地調達を担当する。07年5月の完成予定。
近年、中国では、急速な経済成長に伴い電力事情の逼迫や環境問題が深刻化しており、国家レベルで地域分散型コージェネレーションシステムの普及が目指されている。カワサキマシンシステムズは昨年7月に上海事務所を設置して中国での本格的な事業展開に乗り出している。


三菱重工が新エネ事業計画を発表
 三菱重工業は10月17日、「新エネルギー事業説明会」を開き、ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電、風力発電、太陽光発電への集中投資を行うとした原動機事業本部の事業方針を明らかにした。06度から08年度までの3年間で年約200億円の投資を行い、ガスタービンや風車、太陽電池の生産体制を強化する。また、次期大型主力製品と位置付ける石炭ガス化複合(IGCC)発電、リチウム電池、燃料電池の商用機投入を急ぐ。
 GTCC事業では、ガスタービンの生産能力を現在の年24基から30基に増強するため、新たに高砂製作所に約80億円を投じてブレード工場と燃焼器工場を建設中(07年3月稼働予定)だが、さらに他社との協業による30基以上の生産能力を構築するための新規投資を検討していく。
 また風車事業では現在、空前の売り手市場である状況を踏まえ、生産拠点を拡充することで08年には年100万kW以上の増産を目指す。横浜工場の一部を風車工場に転用し、主力の長崎工場との2工場体制に移行する。長崎工場は08年から本格的に市場投入する2400kW機の専用工場とする。さらに米国市場に対応するためメキシコ工場も拡張する。太陽電池では約100億円投じて諫早工場(アモルファス型を生産)内に建設中の新工場で、07年4月から年4万kWの規模で微結晶タンデム型の生産が始まる。

初の国内CO2排出枠取引が成立
 環境省の「自主参加型国内排出権取引制度」に参加している日本電気硝子(滋賀県大津市)と船井総合研究所(東京都千代田区)は、国内で初めてとなるCO2排出枠取引を成立させたと発表した。
 日本電気硝子が同制度に基づいて削減を約束している排出削減量を上回る排出削減量が見込まれることなったため、余裕分のうち200トン分の排出枠を、取引制度の事務局である三菱総研の排出量取引マッチングサービスを介して船井総合研究所に販売した。日本電気硝子は補助を受けて省エネ設備などを導入して一定量のCO2排出量の削減を約束する「目標保有参加者」として、船井総合研究所は水からは排出削減を行わず排出枠等の取引を行う「取引参加者」として取引制度に参加している。取引制度は環境省が国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として05年度から試験的に導入しているもので、2社は05年度から参加している。

東京電力が中国の水力発電CDMクレジットを取得
 東京電力は、中国の新彊ウィグル自治区で実施する水力発電CDMプロジェクトのCO2クレジットを全量購入する売買契約を締結した。プロジェクトは中国の電力・熱供給事業会社である新彊天富熱電股分有限公司が同地区で総出力5万kWの自流式水力発電所を建設、地域電力系統に供給するもので、化石燃料の削減分として07年5月から12年末まで約5年半の期間で合計約137万dのCO2排出量の削減が見込まれている。東京電力は、この全量のCO2クレジットを購入する契約を結んだ。
第28回風力エネルギー利用シンポ開催へ
 本風力エネルギー協会(関和市会長)と日本科学技術振興財団(有馬朗人会長)は11月21、22の両日、東京都千代田区の科学技術館で「風力エネルギー利用シンポジウム」を開催する。風力発電に関する最新技術と導入促進に向けた課題、また今後の展望について産学官民の有識者が一堂に会し講演や討論を行う総合シンポジウムで、今回が28回目となる。
 1日目は、経済産業省や環境省が、わが国の風力発電政策の現状や課題をテーマに基調講演を行い、東北電力が気象モデルを基にした風力発電出力の予測方法について解説。そのほか、北海道苫前町や岩手県葛巻町の首長らをパネリストに迎え、地方自治体の風力発電導入の実態状況や課題について討論する。
 また2日目は企業や研究機関、大学などによる研究発表が行われる。1kW風力発電機の発電実績データの紹介、また清水建設や東京電力、東京大学らそれぞれが、浮体式洋上風力発電システムの開発について独自の開発状況を説明するなど、71件の講演が予定されている。

その他の記事
05年度のエネルギー需給実績まとまる
・CO2海底下貯留専門委、第2回の会合
・05年度国内CO2排出量を発表
・三菱重工、2400kWの大型風力初受注
・三菱重工が中国東方タービンからGT4基受注
・国際協力銀行、中国の大規模コージェネに融資
・日新電機が世界最小の瞬低対策装置発売
・LPGセンターがGE給湯器などで報告会
・三菱自動車が電力各社と電気自動車共同研究
・出光興産が次世代リチウム電池向け電解質膜
・ヤマハが燃料電池2輪車
・東京都のCO2排出量まとまる
・川崎スチームが発足
・仏・サンゴバン社がSOFCに進出
・大手3社のガス販売量は増加
・愛知県が新下水道ビジョン
・東邦ガスが第46回ガス展開催
・エコジョーズの壁貫通タイプを11月から発売
・9月末のRPS記録量と認定設備
・8月の建築着工統計
・06年度上期の発受電は過去最高
・原弘産、島根県で風力12基受注
・公共建築賞決まる
・アジア地域でバイオ燃料調査委託先を募集
・BEMS2次、支援先決定
・負荷平準化機器を表彰、HPセンター
・新エネシンポ開催、11月27日
・島根あさひ社会復帰PFI
・仙台市学校給食PFI
・最高裁立川支部PFI
・宮崎県立病院ESCO
・佐賀県ESCO調査、ランドブレインへ
・堺市のESCO
・愛知県が2件のESCO
・宮城県がESCO導入へ  etc.
         
シリーズ連載
・分散型エネルギー再生へD<CDMの功罪>
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評<新エネルギー拡大へ、ネットワークの役割>
・プリズム<深刻化する原料不足がガス業界再編を加速>
・ちょっと一休み<生き残った特攻隊員の記録>
・青空<電気のありがたみを思う


新エネルギー拡大へ、ネットワークの役割【発電論評】

 例えば、新エネルギーの利用拡大するためには、新エネルギーを積極的に利用する多くの需要家が必要になる。しかしながら、現状では風力発電の電気を使いたいという需要家に風力発電事業者が電力を届ける仕組みや手段が日本にはない。市民や自治体が風車を建設しても、その電力を一般家庭や事業所で利用したり、販売できる仕組みがない。風車を建設しても、電力会社の送電網を使って電力を運ぶことしか、現実的には選択肢がないということになる。だが、日本の電力ネットワークは、そういう利用には極めて適正を欠いている。
 電力会社が、管内の電力需要に応じて自社の発電所から電力を供給することだけを目的に形成された電力ネットワークであり、それ以外の利用については全く考慮されていないといってよく、需要家側からのネットワークへの電力供給は、「逆潮流」として極めて迷惑だという扱いがされる。
 日本の電力自由化は、ネットワークの視点から見ると、電力会社からネットワーク利用権をいかに譲歩させるかという取り組みであったということもできる。そして結果的には、ほとんど譲歩を引き出すことができていないという現実がある。ネットワーク利用で、自由化によってもたらされたものといえば、PPSによる託送と卸電力の託送だけであるといっても許される。風力などのRPS電力は新エネ価値と実電力が切り離された結果、電力会社管内で実質的には消費されてしまう。実はこの点が重要なのであって、管内で消費できない電力は、原則的には電力会社では引き取れないことになるので、無原則にRPS電力を引き取るというわけにはいけなくなるわけである。
 その結果、RPS電力の枠内でしか日本の新エネは存立できないという、なにやら矛盾に満ちた現状が出現する事態となっている。風力発電の電気を使いたいという需要家の要求を満たすために、電力ネットワークを如何に整備すべきか、そうした視点で日本の電力ネットワークをもう一度再点検できる仕組みが欲しい。自分の故郷の太陽の光で発電した電気を東京で使いたい。こうした要望に応えるネットワークの形成は全く非現実的なものなのであろうか。
 電力ネットワークを高速道路網と考えれば、「故郷宅配便」などできないはずがないということがわかるはずだ。電力事業者の都合ではなくて、必要な送電網を社会が整備するという視点で、ネットワーク形成を考えてみることを望みたい。
 新エネルギーの普及にはネットワークの脆弱性が大きな問題だいうのは新エネルギー関係者の間では常識になっていて、電力会社が保有するネットワークには限界があることが、明らかになっている。