2006625日号

05年度のコージェネ導入は大幅減、ガスコージェネは増加−コージェネセンターがまとめ
 日本コージェネレーションセンターは、05年度の国内向けのコージェネレーションシステムの導入状況をまとめた。それによると、燃料費の高騰が大きく影響して導入件数、設備容量共に大幅に減少。特に、ディーゼルコージェネの減少ぶりが目立っているが、ガスコージェネは国内工場など製造業の現場で石油から天然ガスへの燃料転換が進んでいることなどを背景に、大型システムの導入があり、容量では前年度を上回っている。
 ディーゼルとガスエンジン、ガスタービンを合わせたコージェネレーションシステムは前年度に比べて、容量では32.7%減、件数では26.5%減と大幅な減少となり、合計で678件、61万9千kWが導入された。同センターの統計では、前年度に比べて設置量が減少したのは97年度以来8年ぶり。特に前年度の04年度の導入量が多かった反動や、昨今の燃料費の上昇がコージェネ導入の逆風になっている。
 原動機別にみるとディーゼルとガスタービンは前年度に比べて導入件数、設備容量ともに大幅に減少したのに対して、ガスエンジンは産業用を中心に導入件数、設備容量を増加させている。ガスタービンは、件数で70.1%減、容量で21.6%減。特に民生用での減少が激しい。ディーゼルは件数で67.2%減、容量で63.4%減と激減した。特に民生用は5年連続で件数、容量ともに減少しており、減少が目立っている。
 ガスエンジンは、件数では5.4%減と民生用を中心に減少したものの、設備容量では1.6%増と増加した。特に、産業用が件数、容量ともに増加しており、CO2削減や省エネ法改正などの環境対策として新たな市場を獲得しつつある。


世界最大級の常圧150kW級SOFCを実証試験−Jパワー
 Jパワー(電源開発)は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)で世界最大級となる常圧で150kW級のシステム試験を来年1月から開始すると発表した。三菱重工業製の円筒横縞型のSOFCセルチューブを用いたシステム開発を共同で行い、今年4月から5月にかけて常圧25kW級サブモジュール試験を実施した。この試験で安定性や運用正当の試験項目をすべてクリアしたことから、引き続きシステム化と長期信頼性の検証を主な目的としてJパワー単独で、世界最大級の150kW級システムの検証試験を行うことにした。既に今月から茅ヶ崎市の技術開発センターで試験設備の据え付け工事に着手しており、来年1月から1年間の実証試験を行う。
 システムの発電効率は45%(LHV・目標値)で1万時間以上の運転時間を目標に、長期運用性や起動停止、部分負荷性能、負荷変化などの試験項目について検証する。燃料は都市ガス13Aを使用する。既に実施したサブモジュール試験では、三菱重工製のセルチューブを用いた新型発電構造を持つシステムを使用して、定格負荷から運転を停止して再起動するヒートサイクル試験や、全負荷から50%負荷までの運用性確認試験、システム異常時の安定性確認のためのインターロック試験等を実施して新型発電構造の高耐久性の確認を行っている。発電効率が高く、大規模化が期待できるSOFCは事業用燃料電池としての実用化への期待が高まっており、jパワーでも将来のコージェネシステム市場や電気事業用、また、石炭ガス化燃料電池複合システムへの適用などを視野に入れて実用化開発に積極的に取り組むことにしている。


「新エネの新たな展開」 6月21日、本紙がシンポジウムを開催
 新エネルギーの新たな展開をテーマに、本紙主催のシンポジウムが6月21日、東京・港区の虎ノ門パストラルで開催された。シンポジウムは、このほど新たな枠組みが提示された新エネルギー政策の方向を探る意味で緊急開催を決めたもの。
 シンポジウムでは、資源エネルギー庁のRPS推進室長である安居徹氏による新エネ政策の現状と今後の展開と題する基調講演に続いて、安居氏を交えて約2時間のパネルディスカッションを行った。ディスカッションは、新エネの再定義の報告書をまとめた新エネルギー部会の部会長でもある柏木隆夫東京農工大学教授の司会によって、ガス業界から草野成郎東京ガス副社長、新エネ事業者(風力)の立場から中村成人ユーラスエナジーホールディングス常務取締役、新エネやエネルギーサービス事業に詳しい日本総研井熊均創発戦略センター所長が加わって、新エネ政策転換による事業への影響や今後の展望などについて意見を述べあった。
 新エネ政策の転換については各氏とも、方向性は間違っていないとしながらも、提案が唐突になされ、議論の方向が見えにくかったこと、また、新エネルギーの枠組みでこれまで各事業者が取り組んできたことに対する評価やこれからの政策的な位置づけをさらに明確にするべきであること、新エネやガスコージェネなどの個別展開の政策だけでなく、新エネを地域社会で活用するためのマイクログリッドなどの面的広がりを持つ効率的なエネルギー利用の仕組みに政策がどう配慮するのか、さらに、今後の市場拡大には、新エネや分散型を活用した省CO2サービス事業などの事業者育成の観点が必要なのではないかなどの斬新な議論が、熱く語られた3時間となった。(シンポジウムの詳細は本紙7月25日付けで特集します)

06年度RPS電力義務量は44億4260万kWに−対象は30社
 各電力事業者に割り当てられる06年度のRPS電力利用量が6月22日、エネ庁から発表された。年度後半から義務量が上積みされるのを反映して、06年度は全事業者の合計で前年度より6億1211万7千kWh多い44億4261万1千kWh。義務量を持つ事業者は一般電気事業者10社と特定電気事業者6社、特定規模電気事業者14社の合計30社。一般電気事業者で最も多い義務量を持つ東京電力は1億8662万2千kWh増の13億3358万4千kWh。東京電力1社で全義務量の30.0%。一般電気事業者で最も少ない沖縄電力の義務量は1741万kWh。特定規模電気事業者で最も多い義務量を持つのはエネットの3900万3千kWh。エネットの義務量は前年度に比べ1221万2千kWh多い。
中部電力がバイオマススターリングエンジンの本格試験を開始
 中部電力はバイオマス燃料を使用するスターリングエンジンの試験運転を開始したと発表した。中部電力は、バイオマス燃料の有効利用技術開発の一環としてスターリングエンジンの実用化開発に取り組んでいたが、このほど、名古屋市の技術開発本部内に設置した試験用のバイオマス直噴燃焼式小型発電システムで55kWの発電に成功したことを受けて、さらに、安定した発電の継続を目指してシステムの一部を改良し、9月から本格的な試験運転を開始する。
 使用しているシステムは米国STMパワー社製で、細かく粉砕したバイオマスをバーナーで直接燃焼させ、燃焼ガスをエンジンに供給し稼働させる。バイオマスをガス化するプロセスがないためシステムの簡素化が図れ、設備コストと運転コストが低減できる。システムが実用化できれば、燃料資源の集約化が難しい少量のバイオマスを利用したCO2ニュートラルな小規模分散電源として活用が期待できる。
 実証試験はNEDOとの共同研究事業として実施しているもので、中部電力の子会社のシーテックや名古屋大学、豊橋技術科学大学が参画している。

ガスを通じた住環境整備へ−4団体でウィズガスCLUB設立
 日本ガス体エネルギー普及促進協議会(コラボ、草野成郎会長=写真左)は、住宅関連業者やキッチンメーカーと共同で、ガスを使った住宅の普及に乗り出す。日本ガス石油機器工業会(小林敏宏会長)、住宅生産団体連合会(和田勇会長)、キッチン・バス工業会(豊田洋会長)、コラボの4者は6月13日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで記者会見を行い、ガスを通じたより良い住環境の整備を進めることを目的としたコンソーシアム「ウィズガスCLUB」の設立を発表した。
 エコウィルや燃料電池などのマイホーム発電と、太陽光発電を組み合わせた「CO2フリー住宅」などの新コンセプト住宅実現に向けた政策提言や、炎を使った食育をテーマとした調査研究、住環境をテーマにしたシンポジウムの開催などの情報発信を行い、安全・安心で省エネ性と環境性に優れた家庭用のガス体エネルギー拡大を図る。
 会見ではオール電化住宅対抗に関する質問が集中。コラボの草野会長は「オール電化攻勢は確かに脅威ではあるが、どちらを選ぶかは消費者の判断。現状は一般のガスに対する知識が乏しいため、その差を縮める努力をしていきたい」とオール電化対抗ではなく、消費者の選択肢の幅を広げたい意向であると述べた。

中国電力と広島ガスが天然ガス事業で協定
 中国電力と広島ガスは、6月19日LNGの調達や供給、また、天然ガスの利用技術開発など、ガス事業分野で相互協力協定を締結したと発表した。天然ガスの普及活動を推進する上で相互協力することによって、効率的かつ安定的な天然ガスの普及が可能になることが見込まれる取り組みで、申し入れがあった場合に協議して協力する。
 具体的な協力事項としてはLNGの輸入や出荷・輸送設備のトラブルなどで、LNGや天然ガスの供給に支障をきたすおそれがある場合の緊急スキームを整備することや、天然ガス利用技術開発面で、中国電力が今年度NEDOの受託事業として実施する高効率天然ガスハイドレード製造システム実証研究に広島ガスがガス供給面で協力することが具体化しているほか、必要に応じて追加する。

その他の記事
・今夏の最大電力は前年並み、電事連が予測
・5月末のRPS記録量と認定設備
・経産省電力入札に省CO2を条件に
・リース物件にグリーン電力証書を適用−UFJリース
・三井造船と中国電がハイドレート輸送実験
・日揮が米国エタノール製造事業
・中部電力が中国のCO2クレジットを取得
・神鋼電機、風力発電装置をインドで生産
・三菱重工がシンガポールに原動機拠点
・エネルギー安全保障研究会が報告書
・ガス協会が総会、新会長に野村大阪ガス会長
・関電がエネパーク建設へ
・リフォーム展で省エネ提案
・ヒートポンプセンターが7月にシンポ
・蓄熱フェア開催へ
・奈良県水道局がPFIで自家発を導入
・ブリヂストン工場のCO2排出90年を下回る
・NEDOがBEMS2次募集、支援先決定
・都立がんセンターでPFI事業
・江戸川区15施設でESCO
・大阪府がアジア地域でESC0調査
・次世代PEFC技術開発委託先募集、NEDO
・地熱委託先2件を決定、NEDO
  etc.
     
シリーズ連載
・分散型エネルギーの最前線(22)
・新エネルギーのパラダイムシフトF
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評
・プリズム
・ちょっと一休み
・青空


省CO2事業化に必要なもの【発電論評】

 省CO2という言葉が、広がってきた。省エネに類似するが、省エネが節約のイメージが強いのに対して、省CO2には何かしら前向きな取り組みを示す感じがある。最近では省エネ投資の多くの場合が省CO2を目的としたものに変わってきているといわれる。ESCO事業やエネルギーサービス事業なども、従来の省エネ、省コストを主体としたものから省CO2が新たな目的として加わろうとしている。
 昨今の原油価格の高騰の影響から、1次エネルギーのコストは大幅に増加し、産業全般に広範な影響が現れ始めている。各事業者の省エネ、省コストの取り組みにも限界があるに違いない。
 省CO2の取り組みは、現在自主的なものとして取り組まれているが、これに何らかの目に見える形のインセンティブが与えられたなら、もっと違った形での取り組みが可能になるのではないか。例えば、削減したCO2に経済的価値がつく、排出権取引のような仕組み。現在、類似したものとしてグリーン電力証書があるが、これは直接的にCO2を対象としたものではない。このグリーン証書のように、CO2を減らした分だけクレジットにして売買できる、そのような仕組みができれば、ESCOやエネルギーーサービスに新たな事業メニューを加えることができる。さらに、そうなれば、ESCO事業やエネルギーサービスの個別の事業ごとにプロジェクト化して投資を募るといったようなきわめて現代的な事業展開も期待できそうだ。
 その場合、CO2排出量の基準をどこで算定するのかということが問題となるが、これはもう、1990年がよい。CO2削減の目標となっているのは京都議定書であり、議定書の算定基準年が90年比となっているのだから、これが一番わかりやすいといえる。
 最近話題となっている、購入電力のCO2原単位も本来は最近の係数を使うのではなく、90年当時の排出原単位で比べられるべきだ。そうすることによって90年当時の排出量と、その後、省エネ投資を行った後の排出量との比較ができることになる。需要側の設備も90年当時の効率と、現在、使用する設備との効率比較が可能となるようにして、90年比での削減量によってクレジットが発行できるようにすればよい。設備メーカーにとっては、90年比の「省CO2率」をカタログに表示できるので、ユーザーに省CO2提案ができる。事業者の側も省エネ投資に、もっと積極的に様々な組み合わせのサービスが行えることになろう。CO2削減が次第に重要性を増す中で、こうした、事業者が前向きに取り組める施策の展開が求められているといえる。