200642555日合併号

RPS義務量を上乗せ、06年度から4年間−小委が報告書
 RPS法の義務量の見直しなどの検討を行っているRPS法評価検討小委員会(委員長・山地憲治東京大学大学院教授)は、4月17日、第5回の会合を開き、今年度後半から電力事業者に対する調整RPS電力の義務量の上乗せなどを内容とする報告書案をまとめた。報告書案はパブリックコメント後、新エネ部会に報告される。
 主な見直し点は、PPSを含む電力小売り事業者に対するRPS電力の使用義務づけ量を今年度後半から09年度までの4年間、現行の義務量に上乗せし、本来の利用目標量に近づける方向で修正する。現行の義務量は電力販売量に対して、06年度が0.47%、07年度が0.50%、08年度が0.72、09年度が0.99%となっているところを、06年度0.52%、07年度0.69%、08年度0.85%、09年度1.05%にそれぞれ引き上げる。これに伴う義務量の増加は06年度が4.3億kWh、07年度が17.0億kWh、08年度が11.5億kWh、09年度が5.7億kWhの見込み。
 義務量は、RPS法施行時に電力事業者に対する新エネ電力の導入準備も含めた経過期間として、当初5年間の義務量を調整する目的で、法本来の利用目標量の半分以下に抑えられていた。法施行後、毎年度の利用量が義務量を大幅に上回り、余剰分を翌年度へ繰り越すバンキング量が過剰となり、このままではバンキング量だけでその年度の利用義務量を上回る事態が予想されるようになっていた。このため、「そうなると、RPS電力が一時的にせよ無価値化する事態を招きかねない」として、本来の利用目標量からかなり低めに抑えられている義務量の上方修正を決めたもの。現行の最終目標年度である10年度の義務量の修正は行われない。
 その他の、見直し修正点は、価格調査の頻度を見直し取引価格の情報提供を行うこと、新エネ事業者の事業計画の策定等に配慮する形で義務量とは異なる新エネ導入目標の大まかな目安を長期エネ需給見通し等で示すことなどを盛り込んだ。また、バイオマス燃料の燃料電池発電電力もRPS電力として認めることにした。


官庁施設にESCO − 国交省が導入マニュアルを作成
 国土交通省官房官庁営繕部は4月17日、官庁施設へのESCO事業導入促進に向けた「実施マニュアル」を公表した。
 マニュアルは、官庁施設のグリーン診断・改修による施設整備の手法の一つとして、ESCO事業を導入する場合の導入計画の立案、事業者の選定事業の実施、リスク分担などの基本的な考え方を示すことにより、地球温暖化対策につなげようというもの。
 このため、営繕部は部内に設置した「建築設備の省エネ化に資する新たな施設整備手法研究会」(委員長・坂本雄三東京大学大学院教授)で検討を行った。他に川瀬貴晴千葉大学教授橋浦良介電気設備学会前理事、松縄堅空気調和・衛生工学会理事野村修官庁営繕部設備・環境課長らが参加し、検討を重ねた。マニュアルは@ESCO事業の導入概要A導入計画B事業者選定・契約C事業の実施の4項目でまとめた。
 @の導入概要で「温暖化対策のため」の目的と考え方を整理し、官庁施設のグリーン診断・改修の一方法と位置づけている。Aの導入計画では、ESCOを導入する場合の判断方法、詳細診断の概要予算化の手続きなど基本的な考え方を示している。
 Bの事業者選定・契約では総合評価落札方式、プロポーザル方式など価格以外の要素も考慮した事業者選定方法を求め、それぞれの方式による契約のフローを記述、総合評価による事業者選定に当たっての審査項目として提案技術の実現可能性、計測・検証の可否、光熱水費削減・CO2排出量の削減や長期耐用性、既存施設に対する影響、保全性能の確保などを加算対象として例示している。Cの事業実施では、ESCO事業実施の各段階(設計、施工、維持管理、計測、検証など)におけるポイントを示した。発注者は事業実施状況などを確認するため監視職員を設置し、各段階で確認や検査を行うことにしている。
 官庁施設へのESCO導入は、05年4月に閣議決定した「京都議定書目標達成計画」で示した公的機関の率先的取り組みや、関係省庁連絡会議での「ESCO事業導入」の決定によるもの。
 営繕部は今後、各地方整備局の全国約100施設で簡易診断を実施し、導入可能があると判断した施設でフィージビリティ・スタディ(詳細診断)やESCOを実施する場合は、同マニュアルを参考にすることとしている。


RPS認定設備は371万kWに(05年度末)
 資源エネルギー庁は3月末日現在のRPS法に基づく新エネルギー起源発電設備の認定状況をまとめた。それによると、認定設備の合計件数は26万6915件、設備容量の合計は809万1147kWとなった。バイオマス発電の燃料からRPS燃料相当以外の燃料を除いた発電容量の合計では371万952kWとなった。
 電源種別毎の内訳では、風力発電が287件、107万4900kW、中小水力発電が375件、16万9736kW、太陽光発電が26万5963件、98万8000kW、バイオマス発電が266件、147万2547kW(RPS燃料)。地熱発電が1件、2千kW、複合型が23件、3769kWとなっている。
 05年度1年間の増減をみると、件数では6万7888件の増加、設備容量では122万3852kW(RPS以外燃料含)増加した。
 増加件数の大半は太陽光発電で、6万7804件、24万6722kWの増加。それ以外では、風力が44件、15万4370の増加。中小水力が16件、マイナス1万13kWの増加、バイオマスが19件、83万2184kW(RPS以外燃料含)、複合型が5件、589kWの増加という状況。中小水力発電は件数は増加したものの設備容量の合計では減少となった。RPS認定制度が始まって依頼認定設備の減少が初めてあった。
 RPS法施行後3年を経過して、認定設備の拡大の勢いは減少しているといえ、太陽光発電を除くと増加件数は84件にとどまっている。また発電設備の規模が大きいバイオマス発電の1年間の増加も19件にとどまっており、廃棄物発電が中心の従来型のバイオマス発電の伸びも頭打ちの状況となっている。また、風力発電の増加も44件、15万kW程度にとどまっており、10年度の国内導入目標の300万kWの達成にはほど遠い状況だ。RPS認定設備以外の新エネ設備の導入状況は極めて少ない現実から、RPS方による新エネ設備の導入拡大の後押しという方の目的は未だに効果が発揮されているとはいいにくい状況がこうした数字から窺える結果となっている。


新エネルギー財団が17年度版の提言
 新エネルギー財団は4月13日、新エネの導入促進に向けた提言を公表した。主要7分野ごとに政府に対する要望などをまとめた。燃料電池分野ではリン酸型などオンサイト実用機の導入・普及支援の強化を提言しており、助成制度を活用した病院、防災センター、下水処理場など公共施設への率先導入、また民間施設への導入に対する助成措置の拡大を求めたほか、税法上の償却年数の見直し、ばい煙発生施設の適用除外、バイオガス利用燃料電池へのRPS法の適用といった環境整備が必要だとした。
 風力発電分野では2030年までの導入目標量の設定や洋上風力に対する基本方針の明確化。廃棄物発電では一般廃棄物発電への交付金の引き上げ、産業廃棄物に関するデータベースの構築などを求めている。

京葉ガス防災センターに非発兼用でコージェネを導入
 京葉ガスが本社に隣接して建設していた「防災供給センター」が4月1日から運用を開始した。昨年5月の竣工後、製造・供給拠点の遠隔制御や地震防災システムなどの機能を従来の施設から移行・再構築し、1日から新たに東京電力から天然ガスを受け入れるのに合わせ本格的に運用を開始した。12日には開所式が行われた。地上7階建て(延べ床面積4686平方m)となる同センターは免震装置を採用したほか、ガスエンジンコージェネ(200kW×2、非発兼用)やマイクロガスタービンコージェネ(27kW×1)、ガスヒートポンプ空調機などを導入することで省エネ化を図るとともに屋上緑化や、非常時には雨水を飲料水として利用する浄化装置を設置するなど、環境に配慮した防災拠点となっている。一方、東電千葉火力からの天然ガス受け入れに合わせ、市川工場のガス製造設備を停止した。
北ガスがエネサービス事業を子会社に移管
 北海道ガスは4月1日付けで、エネルギーサービス事業を100%子会社のエナジーソリューション(早崎正一社長)に譲渡した。エナジーソリューションは昨年9月に設立。11月からはマイカル小樽エネルギー供給から、小樽築港地区でのエネルギー供給事業の営業を譲り受け事業を開始していたが今回、ホテル日航千歳など北ガス本体で行っていた4件すべてのESP(エネルギーサービスプロバイダー)事業を移管された。
 事業移管によって機動的な営業展開が図れるとともに、事業資産を保有することでキャッシュフローが高まり、新規案件の獲得に積極的に乗り出すことができる。

都市ガス大手3社のガス販売量が過去最高
 大手都市ガス3社が発表した05年度のガス販売量は、3社とも過去最高を記録した。
 東京ガスは前年度比6.6%増の130億2371万立方mと28年連続して増加、販売量で初めて130億立方mの大台に乗った。大阪ガスも4.9%増の84億4800万立方mと4年連続で過去最高を更新、東邦ガスは工業用需要が大幅に増加したことで15.8%増の34億4041万立方mと2ケタの伸びを示した。3社とも、年間を通じて気温が低めに推移したことで家庭用が伸びたことに加え、工業用で新規需要の開拓や顧客企業での稼働増などが進んだ。
 東ガスの家庭用は6.4%増の34億6789万立方m、3年ぶりにプラスに転じた。業務用は3.4%増の29億6311万立方m。工業用は5.7%増の49億9552万立方m。他ガス事業者への卸供給は新規が増えたことで17.1%増の16億2804万立方mだった。大ガスも家庭用が4.0%増の23億2900万立方mと2年ぶりに増加したほか、業務用(工業用、商業用など)も4.6%増の57億6100万立方m、卸供給も17.5%増3億5900万立方mと好調だった。東邦ガスは家庭用が6.5%増の7億1287万立方m。工業用が21.0%増の19億3774万立方mと大きく伸びた。卸供給も20.4%増の2億8273万立方m。

その他の記事
・バイオマス先導技術5月に募集(NEDO)
・シャープが耐用期間1.4倍の新太陽電池発売
・協和エクシオがバイオボイラーを発売
・三井造船、興人富士工場にGT納入
・建設研のレポートでESCOに期待感
・国交省、ESCO導入マニュアル作成
・LPガスコージェネ06年度の補助募集
・自民党、バイオエタノールでヒアリング
・2006電設工業展、大阪で5月24日から3日間
・石油コージェネ06年度の導入補助募集開始
・ガスエンジン給湯器も06年度分募集
・NEDOが洋上風力調査委託先を募集
・西宮市福祉センター7月にESCO事業者を選定
・大阪市が津守下水処理PFI事業者決める
・島根大学病院のESCO、日立製作所で
・下関中央病院ESCOも日立グループ
・都立大塚病院ESCO、事業者はエネアド
・石油製品市況
・経団連自主行動計画、第三者委員会が05年度評価
・日立造船東京本社が移転
・東ソー石炭火力で環境大臣が意見
・北陸整備局の波力発電で実証試験開始へ
  etc.

シリーズ連載
・分散型エネルギーの最前線P
・新エネルギーのパラダイムシフトA
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評
・プリズム
・ちょっと一休み
・青空


新エネ見直しに新たな視点を【発電論評】

 国の新エネルギー事業者支援の対象が見直され、今年度の支援対象から大型ガスエンジンコージェネレーションシステムが外された。単機容量が3千kWのシステムを補助対象外としたほか、複数システムを組み合わせて3千kW以上となるケースも補助率の削減措置がある。新エネ事業支援の補助制度には予算枠があり、対象は風力や太陽光なども含めた新エネシステム全体であるから、ガスコージェネについては枠内にとどまる中小型器のシステムについても優先順位が低く抑えられるのではないかという懸念が広がっている。
 一方で、現在進行中の総合エネ調の新エネルギー部会には、新エネルギーを再生可能エネルギーに限るとする、「新エネの定義見直し」が提案されている。これも、天然ガスコージェネや燃料電池、クリーン自動車などガス燃料を利用するシステムを新エネ対象から外すという提案だ。
 新エネルギーの言葉の定義を云々するよりも、支援対象の枠外となる大型ガスコージェネの位置づけをこの際問題としたい。新エネ補助見直しの資料や説明では、大型ガスコージェネは既に競争力があることや技術的に成熟しており技術開発支援も必要ないという姿勢がみられた。
 果たしてそうであろうか。日本のエネルギーの需給構造を考えた場合、石油代替エネルギーの現実的な中核として天然ガスは今後も拡大が求められるという状況には変化がない。地球温暖化対策の側面からも天然ガスの効率的な利用拡大によるCO2削減効果のほか、今後さらに多角的な利用法が確立されていく必要がある。バイオマス混合ガソリンやバイオディーゼルなど石油系燃料の一部代替としてバイオマス燃料の研究開発が進んでいるが、ガスについてもバイオマス燃料との様々な組み合わせによるCO2削減効果のある燃料開発など、天然ガスの利用面からの技術開発が進められる必要がある。
 さらに、風力や太陽光などの再生可能エネルギーとガスコージェネなどの高効率分散型システムを組み合わせて出力の安定化を図るなどのシステム運用技術の開発も手つかずのままである。再生可能エネルギーの利用開発、それらと一体的に新たなエネルギーを創造する地域新エネマイクログリッドなど、国が積極的に開発を進めるべき余地は大いにある。
 一昔前に「コンピューター、ソフトなければただの箱」という戯言が流行った。ハード面だけの技術的成熟度だけでなく、天然ガスや水素などを利用するガスコージェネを効率的で効果的かつ面的な広がりを持った地域エネルギーシステムとして如何に効果的に導入できるのかが問われている。有効なモデル開発が競えるような視点を新たな支援の枠組みに望みたい。