200645日号

新エネは再生エネルギーに限定−エネ庁が新エネ部会に提案
 総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会(部会長・柏木孝夫東京農工大学大学院教授)は、3月24日、第13回の会合を開き、新エネルギーの定義を巡って議論を交わした。同日の会合には、新エネルギーの新たな概念整理として、事務局サイドから今後、政策的に導入支援が必要な新エネルギーの新たな枠組み案が提示された。従来、風力発電やバイオマス、太陽光発電の供給サイドの新エネと需要サイドの新エネとして天然ガスコージェネや燃料電池などを含めていたものを、需要サイドの新エネを切り離し、今後は再生可能エネルギーのうち大規模水力と波力発電、海洋温度差発電を除いたものを新エネルギーとして定義し直すことが提案された。新たな「新エネルギー」は再生可能エネルギーのうち普及のために支援が必要なものという位置づけ。
 新エネの定義からはずれることになる電気自動車や天然ガス自動車、メタノール自動車、天然ガスコージェネ、燃料電池といった「需要サイドの新エネルギー」については、主として石油代替エネルギーの性格を持つもので、その中の一部では利用技術の成熟化や陳腐化がみられるとして、今後は新エネルギーとしてではなく「革新的エネルギー技術開発利用」の枠組みの中で「再生可能エネルギーの普及、エネルギー効率の飛躍的向上、エネルギー源の多様化に資する新規技術」として選別して支援措置を講じていくという考え方を示した。同日の委員会では意見の集約は行わず、次回以降改めて検討されることになった。


4年ぶりに建築設備設計基準を改訂−国交省
 国土交通省官庁営繕部は、建築設備を実施設計する場合の標準的な計算方法や設計手法をまとめた2006年度版「建築設備設計基準」を4年ぶ りに改定した。新技術の導入や各法規類の改定により見直したもので、今回の改定には発電設備の中に、設計資料としてマイクロガスタービンを追加した。また、風力発電装置の年間発電力量の算定についても、資料として追加した。
 風力発電の年間あたりの発電電力量の算出予測は、風車装置の出力曲線と設置地点の風車タワー高さにおける風速出現率分布を用いて算出し予測することにしている。NEDOの基準を参考に、風車の設置する地域の風速を調査し13段階の風力階級を用いて電力量を算出する 同部では、改定した基準・資料などを各他方建設整備局に配布、徹底を図ることにしている。
 資料は設計基準が「守る」ことを義務付けてるのに対して、設計資料は「守るための具体的方法が他にあればそれも可」と弾力的。マイクロの定義は発電出力200kW以下としている。今回追加となったマイクロガスタービン定義は次の通り。
 ▽定格及び方式=常用発電設備に用いる場合は始動及び停止は自動とする。始動方式は電気式とする。▽燃料槽=液体燃料の燃料備蓄量は、施設場所、用途及び業務の内容等により決定し、特記する。燃料槽は原則として発電設備専用とする。また常用防災兼用発電設備の場合、常用と非常用の燃料槽を別々に設ける。▽ガス管の選定=ガス管材はガス供給事業者の規定によるものとし、特記する。▽冷却方式=原則としてラジエータ式とする。ラジエータ搭載形は@発電機室に設置する発電装置の付属ファンにより外気に面する外壁マデダクトを接続するA寒冷地では、発電機室の温度低下や雪の吹き込みを考慮するB地方条令等により騒音規制がある場合は、排気ガラリの位置や消音ダクトの採用を検討する。▽排気管の選定=@ガスタービンの許容排気抵抗は、1500Pa(標 準値)以下とするA排気 管は、原則として各機関ごとの単位立ち上げとするB排気管路の急拡大及び曲げは極力避け、これによる騒音の問題を生じないよう考慮する。▽換気=発電機室の換気量は、機器の発熱量と許容温度より求めた値と機器の燃焼空気量を考慮して決定する。


託送メニューの多様化など−ガス自由化拡大へ小委員会が報告書まとめ
 07年4月からのガス自由化範囲の拡大について検討を行っている総合資源エネルギー調査会・都市熱エネルギー部会のガス政策小委員会(委員長・鶴田俊正専修大学名誉教授)は、3月27日に会合を開き、年間10万立方mまでの需要家が対象となるガス自由化範囲拡大の実施方法などについての報告書のとりまとめを行った。
 新たに自由化の対象となる10万から50万立方mの需要家についてはその7割が低圧需要家となるため、従来の大口需要家とは異なる保安対策が必要であるとして、大口供給については消費機器に関する周知や調査を義務づけるとともに、一般ガス事業者による保安業務の引き受けなどを検討する保安対策や、低圧導管までを対象とした託送供給約款料金の策定、時間季節別、導管の供給能力、託送距離、供給エリアなどの諸条件を反映した選択的託送供給約款料金メニューなどメニューの多様化などの託送供給制度の充実、強化対策などを盛り込んでいる。また、2重投資の制約問題では、すでにガス導管が整備されている地区でも発電用の導管や卸供給用導管などについては新規需要であることを条件に託送によらないガス供給を認めるなどの例外の拡大措置も盛り込まれた。これによって電力会社の発電用導管からは自由に新規需要向けの供給が図られることになる。
 また、小規模需要家への対象拡大に伴って同自動両制度についても一部緩和が行われ、事前に想定されるガス払い出し量の計画値で同時同量と見なすものとされる。これによって計測コストの大幅なコスト負担が軽減される。ネットワーク運用に支障のない大手ガス事業者を中心に進められることになる。


RPS調整義務量を上乗せ修正−RPS検討小委の報告書案骨子
 総合エネ調のRPS法評価検討小委員会の第4回の会合が3月30日に開かれ、RPS法の見直しについての報告書案の要旨について検討した。見直しの対象となるのは、義務量の枠を超える余剰電力を翌年度に繰り越す仕組みであるバンキングについて過剰なバンキング量が発生しており、義務量の調整制度が無意味化しているとして、09年度までの義務量を上方修正すること、価格についての情報公開については調査頻度等を見直すことなどを報告書に盛り込む。また、4年ごとに見直されることになっている目標量について、風力発電などの事業期間が長期にわたる新エネ事業者の事業見通しを立てやすくするという観点から、導入量の目安を長期需給見通しの中で予測がしやすくなるよう考慮すること、バイオマス燃料による燃料電池もRPS対象に加えるなどの対策を講ずることとされた。
その他の記事
・電力・ガス技術検討会が報告書
・産総研がバイオディーゼル燃料技術を開発
・ガス3社の06年度計画
・06年度電力供給計画
・豊洲ウォーターフロント開発
・東京ミッドタウン来春完成
・清水とシャープが光る太陽電池
・都立病院ESCO
・備前市庁舎ESCO
・横浜こども科学館ESCO
・中国四国地区で最大のウィンドファームが運開(葉山風力発電所)
・新日鉄がエタノール化実証試験
・エネオスエコボーイ1号機設置
・UFJリースがESCO事業部設置
・省エネ対策導入促進事業を募集(NEDO)
・地域新エネ・省エネ公募開始(NEDO)
・扇島パワーの出資比率を変更
・熱主電従のハイブリッドコージェネで注目(グリーンパワーソリューション)
・分散型発電へのエールA
  etc.

シリーズ連載
・分散型エネルギーの最前線
・今を考える「企業の不祥事は何故起こるのか」G
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評
・プリズム
・ちょっと一休み
・青空


日本の新エネ定義変更で変えてはいけないもの【発電論評】

 日本の新エネルギーの定義が変わることになりそうだ。
 新エネルギーの定義は少し複雑な事情があって、従来は供給サイドの新エネルギーとして風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーに加え、需要サイドの新エネルギーとして天然ガスコージェネや燃料電池、クリーンエネルギー自動車なども対象とされていた。国のエネルギー政策の目標を定めているエネルギー基本計画や長期エネルギー需給見通しの中でも、新エネルギーの導入拡大は重点項目で、エネルギーごとに導入目標量が掲げられたりしている。現在のエネルギー政策の基本は、石油依存度の低減、つまりエネルギー源の多様化と安定供給の確保ということで、具体的には、原子力の利用の安定化と天然ガス、新エネルギーの利用拡大ということに重点的な取り組みが行われてきている。
 このような視点で、導入拡大を図るべき新エネルギーの枠組みにも新エネルギーの利用を促進する手段として需要サイドの新エネルギーが加えられた経緯がある。それにはまた、省エネルギーの促進や水素利用技術の開発促進という視点もあった。そうした、新エネルギーの定義づけには従来から一定の批判もあったのも事実。たとえば供給サイドの新エネに廃棄物発電が加えられていることに対しては、燃料となる廃棄物の性状を吟味するべきだという見方や、天然ガスや燃料電池は「新」エネルギーといえるのか。また、欧米諸国と新エネの定義が異なるためデータの比較にも支障があるという批判もあった。
 こうした中で、先月開かれた総合エネ調の新エネ部会で新エネルギーの概念整理の提案があった。突然の提案であり、関係者の間にとまどいが広がっている。提案の趣旨は、従来の新エネルギーの概念を根本的に見直して、再生可能エネルギーに限定するという提案だ。需要サイドの新エネは対象外とするという、大胆な提案である。再生可能エネルギーでも大規模な水力や波力発電、海洋温度差発電などは除かれる。
 新エネの概念を、純化させ、諸外国と足並みをそろえるという説明は確かにわかりやすいが、需要サイドの新エネの枠組みをなくしてしまうということは少々乱暴すぎるといえるのではないか。提案では、需要サイドの新エネはそれぞれの技術を精査し、今後とも技術開発の余地があり新エネ導入普及に貢献する技術は別枠で導入支援を継続するという。確かに、何でもかんでも新エネルギーとしてひとくくりにする必要はない。しかしながら、省エネ、省CO2を念頭に置いたエネルギー供給システムをどう普及させていくのかということについては、改めて普及促進策を講ずる必要があるのではないか