2006年315日号

横浜市の大型風車事業でグリーン証書を発行
 横浜市は、「環境行動都市」の新しいシンボルとして、06年度中の運転開始を目指して瑞穂ふ頭に建設を行っている2千kW級の大型風力発電事業で、このほど、事業に協賛し、グリーン電力証書を購入する「y−グリーンパートナー企業」6社を選定し、発表した。
 同事業は市の中心部に風力を建設するという都市型プロジェクトの特徴を生かすため、年間約300万kWhの発電量について、1口あたり6万〜7万kWh程度に小分けしたグリーン電力証書を発行し、市内企業などに購入してもらうとともに、地域住民を対象に発行するミニ公募債によって運営資金を賄うという企業・市民参加型事業として計画されている。昨年12月から1月にかけて、1口100万円で計45口のグリーン電力証書を購入するパートナー企業の募集を行った結果、6社計26口の応募があり、このほどキリンビール、日産自動車、日本郵船、横浜倉庫、東京ガス、CRCソリューションズの6社がグリーンーンパートナー企業に選定された。
 今回、証書を購入するのは@キリン90万〜105万kWh(15口)A日産自動車30万〜35万kWh(5口)B日本郵船18万〜21万kWh(3口)C横浜倉庫、東京ガス、CRCがいずれも6万〜7万kWh(1口)。グリーンパートナーは横浜市が「横浜の環境問題に取り組む姿勢を内外に示すシンボルとして圧倒的な存在感と印象的なシルエットを持つ大型風車を事業化する」という趣旨に賛同し、グリーン電力証書の購入などを通じて風車事業に参画するもので、購入した企業は自社で使用する電力が自然エネルギーで発電したものと見なされるほか、CO2排出量取引に利用することもできる。残る19口について、近く2次募集が行われる。


キリンビール取手工場に東京電力が電力とガスを一括供給
 キリンビールは国内ビール工場でのオンサイト事業を活用したCO2排出削減の取り組みの一環として取手工場で、天然ガスボイラとNAS電池を導入、3月7日から稼働させた。東京電力から電力とガスの一括供給を受け、重油から天然ガスへの燃料転換を実施、1500kW×2台のNAS電池で夜間電力の有効利用をはかり、工場内のエネルギーコストを約28%、CO2排出量を約26%(05年比)低減する。
 キリンは国内工場の燃料転換を進めており、近くにガス導管のない2工場を除く9工場で07年中に終える予定で、オンサイト事業を三菱商事に委託、キリングループ向けの専門会社MCKBエネルギーサービス社を設立して対応している。これまでは、電力とガスについてはそれぞれ異なるエネルギー供給者と契約していたが、今回は電気とガスの供給を東京電力と一括で契約した。
 同工場では、この後、10月には工場の排水処理行程で発生するバイオガスを燃料にする900kWのガスエンジン発電設備が稼働予定で、すでに稼働している250kWの燃料電池設備と合わせて、工場内で使用する電力の約17%をまかなう計画。さらに、07年3月には20kWの太陽光発電設備の導入も予定しており、エネルギーの効率化とCO2削減の取り組みを強化することにしている。


下水のバイオ資源化で国交省が検討委員会を設置
 バイオマスニッポン総合戦略や京都議定書目標達成計画が策定されるなど、バイオマスの積極的な活用が課題となっていることを背景に、国土交通省では、エネルギーの視点から今後の下水道行政のあり方について検討する「資源のみち委員会」(委員長・津野洋京都大学大学院教授)を設置した。委員会では下水道の持つ資源回収、供給機能を積極的に活用し、下水処理場のエネルギー自立、地球温暖化防止等に貢献する「資源のみち」の創出について検討する。6月を目途に中間とりまとめを行い06年度中には最終とりまとめを行うことにしている。取りまとめに盛り込まれた検討結果については、08年度を初年度とする次期社会資本整備重点計画の議論等に反映させていく。

日建連がPFI基準見直しで要望
 日建連はPFI基本方針、ガイドラインの見直しに対する要望をまとめた。昨年のPFI法の改正を受けて現在、政府のPFI推進委員会で見直し作業が進められている基本方針とガイドラインについて、建設業界として特に重要な課題を9項目取り上げ要望としてとりまとめた。
 とりまとめた建設業側の要望事項は@使用発注に近い規定の設定や要求水準が不明確な場合がある現在の性能発注を、ガイドラインを策定するなど徹底するAPFIの特性にあった事業者選定方式の確立のため、多段階選抜や提案書作成段階での民間意見を反映できるようにするB事業者選定の発注者責任の明確化や価格以外の要素の提案審査への反映、選定結果の疑義等を受け付ける場を設定するなど提案審査の透明性、公平性の確保などを図るC提案作成の目安となる「参考価格」を事前公表するD民間側がコントロール不可能なリスク分担ルールを明確化するE設計変更の取り扱いの明確化F指名停止の際の措置G選定された事業グループが議会で承認されなかった際の違約金または補償を明記するH事業期間中の契約変更を可能にする−の9項目。

東邦ガスがマレーシアから天然ガスを年間52万トンの購入契約
 東邦ガスは、マレーシアLNG第3プロジェクトからのLNG購入に関し、マレーシアLNGティガ社と売買契約を締結した。07年4月から20年間にわたり年間52万トンを購入する。年間購入量約270万トンの東邦ガスにとって、5分の1強に相当する規模の量となる。中部圏の好調な経済情勢を背景に、東邦ガスのガス販売量は05年度も12.8%の増加を見込むなど大幅に伸びている。ただ最近では、大型ガスコージェネの需要開拓を手控え気味だと言われるなど「玉」の確保が緊急の課題になっており、中部電力と岩谷産業が設立したエル・エヌ・ジー中部や大阪ガスの攻勢にさらされていた。
 今回、新規に52万トンを購入するほか、09年4月には「サハリン2」からも年間500万トンの購入が始まることで、数年後には供給力も一挙に約100万トン拡大する。東邦ガスはすでに東京ガス、大阪ガスと共同でティガ社から04年度以降、年間22万トンを購入しており、今回の契約はそれとは別の東邦ガス単独の新規契約。

環境省がエコ燃料拡大でシナリオ作成へ
 環境省は、バイオマス資源を原料とする「エコ燃料」の普及拡大に向けたシナリオ作成と、支援策の検討に着手した。京都議定書目標達成計画で掲げられたエコ燃料導入拡大について、具体的な道筋を明らかにし、実現に向けた対応策を示す。
 3月7日に「エコ燃料利用推進会議」(座長・大聖泰弘早大理工学部教授)の第2回の会合を開き、国内外のエコ燃料開発や利用状況、また国内での導入方策などについて検討した。引き続き@原料となるバイオ資源の確保Aバイオディーゼル燃料(BDF)の品質規格B経済性の向上−などについて議論し、新年度早々にも導入目標や支援策をまとめる。

その他の記事
・大阪府がESCO事業普及で中国にミッション
・石油高騰でオイルサンドなど活用策検討−石油政策小委員会
・諮問会議で新・国家エネ戦略を説明
・日建連がPFI基準見直しで要望
・イープラットが店舗の省エネシステムを販売へ
・NEDOが地域バイオマス熱利用募集
・航空保安大でPFI
・宮城野区文化CでPFI
・大阪府がESCO2件
・愛知県が8施設でESCO
・JR東日本の川崎発電所リプレースでアセス
・大成建設が太陽光屋内採光システムを開発
・国際観光協会のエコ対策
・北海道がバイオマス活用マスタープラン
・建築学会作品選奨
・街づくり総合展示会に25万人
・12月の建築着工統計
・NEDOが太陽光系統安定化調査募集
・3月21日に自然エネルギー利用シンポ開催
・名古屋で3月17日に新エネフォーラム
・1月の産機受注は5.0%増
・フロン破壊法改正案を閣議決定
・三菱重工がタイからGTCC受注
・自由化部門の電気料金
  etc.

シリーズ連載
・分散型エネルギーの最前線
・今を考える「企業の不祥事は何故起こるのか」
・分散型発電実務の話題
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評
・プリズム
・ちょっと一休み
・青空

原油高・電力値下げでも自家発電【プリズム】

 スーパーなど「脱自家発電」進む。燃料高で電力購入復帰――。これは3月2日の日本経済新聞が報じた記事だ。「敷地内に設置する自家発電装置を休止・廃止し、電力事業者からの調達に切り替える動きがスーパーマーケットなどの流通業者を中心に広がっている。石油製品の価格が上昇しており、重油を使っている自家発電のコストが割高になっているため。東京電力など電力4社は4月から電気料金を値下げする。自家発電コストとの差はさらに広がり、切り替えの流れは強まりそうだ」と書いてある。
 最近、この手の「自家発離れ」を扱った報道が目に付く。少し前に話題を呼んだものでは、日刊工業新聞が報じた「コニカミノルタHD、出力1万4000kWのガスコージェネ、買電に切り替え」がある。この時は、ご丁寧にも「油価高騰・電気料金値下げ、自家発電の利点薄れる」との解説記事まで付けていた。余計なことを…と思った自家発関係者は少なくないだろう。
 確かに、現実問題として脱自家発の動きは加速しつつある。四国電力の資料を見ると、02年度以降、自家発の廃止数が導入数を上回っており、その差は03年度の差し引き5(廃止19、導入14)から05年度の差し引き37(廃止45、導入8)へと、大きく広がっている。東京電力の管内でも、約10万kW、80件が自家発から系統電力に切り替えた。
 だからといって、自家発自体の競争力が失われたわけではない。相対的に割安な天然ガス燃料系は堅調に推移しているし、省エネ・CO2削減の観点から見て系統電力より有利な自家発も決して少なくない。原油高・電力値下げの時代だからこそ、顧客を増やし頑張っている自家発事業者にマスコミはもっと目を向けるべきではないか。