2006年25日号

ENEX2006が開幕
 省エネルギーや新エネルギーに関連する最新機器や情報を提供する総合展示会「ENEX2006」(省エネルギーセンター主催)が、2月1日から3日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。1日の開会式では来賓の片山さつき・経済産業大臣政務官が「世界的な原油高や4月の改正省エネ法施行などでわが国の省エネ意識が高まる中、このような展示会は誠に時宜を得たもの」とあいさつした。「2010年省エネ社会へ『変わる、変える、私たちの暮らし、しごと』〜企業と、家庭と、地域でエネルギーダイエット」をテーマとした今回は、家庭用から民生・産業用分野の最新機器・システムの展示のほか、出展企業が環境に配慮した先進的な取り組みなどを紹介した。
  展示ブースでは、東京ガスが家庭用固体高分子型燃料電池「ライフエル」や高効率ガス吸収冷温水機などのシステム機器を展示、また横浜市の総合保健医療センターなど3施設に導入するESCO事業も紹介した。家庭用燃料電池では東ガスのほか、新日本石油が3月から商品化する灯油燃料の「エネオスエコボーイ」のほか、LPG燃料の「エネオスエコLP―1」を、ジャパンエナジーがLPG燃料の「JOMOエコキューブ」を展示。最新の燃料電池を中心に、人だかりができていた。
  また、トヨタタービンアンドシステムがマイクロガスタービンコージェネシステム、テストーがポータブル燃焼排ガス分析計を展示するなど、システムから関連機器・部品まで、省エネに取り組む75の企業や団体がさまざまな省エネ機器を展示。どのブースも熱心に説明に聞き入る来場者の姿があった。ENEXではほかに、今年度から創設された優良ESCO事業表彰を始め恒例の省エネ大賞などの表彰式、また秋葉原ダイビルや羽田空港第2ターミナルなど、省エネ設備を見学する「省エネStudy&Tour」など、多くのイベントが行われた。ENEXは2月の省エネ月間の主要行事として東京と大阪の2会場で開催されており、今回で30回目。大阪会場は2月16日から19日まで、インテックス大阪で開かれる 。


新エネ部会がRPS見直しで論点整理
 京RPS法の見直し検討を行っている総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会(部会長・柏木孝夫東京農工大学教授)は1月30日、第14回の会合を開き、小委員会で進めているRPS法見直しに当たっての整理した論点を承認、年度末を目標に更に小委での検討作業を進めることにした。小委がまとめたRPS法見直しの論点は(1)バンキングの運用方法などを含めた義務量の妥当性(2)価格情報や最低価格制度の導入の是非など取引価格の評価(3)利用目標量の設定期間8年の是非(4)バイオマス燃料電池や地熱、中小水力の拡大など義務対象エネルギーの見直し(5)RPS法と需要家との関係の検討(6)電源種別毎の義務量や罰金の重量化など法規程の見直しの方向(7)RPS以外の新エネ施策全般に係わることの7項目。
 このうち義務量については、バンキング量が義務量を上回るような自体も想定されるようになっており、義務量が新エネ設備の増加に対して働きにくくなっている現状をどのように評価するかで議論が分かれている。RPS法による義務量は、当初5年間は経過措置として低く抑える調整が加えられ、08年度から急激に義務量が増える仕組みとなっていることから、現状維持とする方向で議論が進められている。また、風力発電などの導入目標の達成が困難視されている新エネ設備を中心に、RPS法による電源種別毎の義務量の設定を求める声も出ているが、これまでの議論では、新エネルギーの利用拡大というのが法の趣旨であり、市場原理を無視した形での個別電源の保護は法の目的に合致しないという観点から、これも見送られる公算が強くなっている。
 同日の部会では、その他、CO2削減対策として、今後注力される必要があると位置づけられているバイオマスの熱利用の推進施策について事務局から説明があったほか、産業界におけるバイオマスの熱利用の自主的取り組みとしてガス業界と石油業界の取り組みの現状が、業界委員から資料に基づいた報告が行われた。


北海道電力が、風力解列枠で5万kWを募集
 北海道電力は1月30日、06年度に募集する解列条件付き風力発電の系統連系について、募集規模を5万kWにすると発表した。風力発電事業者などによる特別高圧への連系を対象としており、5月をメドに募集説明会を開く。「解列目安時間」は3月に経済産業大臣に届ける06年度供給計画に基づき再度、算定するものの、すでに新エネルギー部会風力発電系統連系対策小委員会で報告した値から、増加する見込みになっているとしている。
 解列条件付き風力発電系統連系募集は、風力発電の連系に伴う周波数変動を抑えつつ、風力発電の導入を拡大していく方法として、風力発電の出力変動に電力会社が対応できない時間帯に、風力発電機を系統から解列することを条件に、系統連系するもの


建築判断基準まとまる
 国土交通省と経済産業省は、改正した「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)の4月1日施行に向けて、建築主の判断基準と設計・施工指針の改正案を明らかにした。先に求めていたパブリックコメントの募集結果を踏まえて修正したもので、建築主の判断基準では、外壁や窓などを通じて熱の損失を防止するための措置などを定めている。空気調和設備では、暖房、冷房用とも交換する熱源機器の定格出力の合計が300kW以上の設備が届け出対象となった。改正省エネ法は、床面積2千平方b以上の非住宅建築物の新築・増改築と大規模修繕などにも義務化するもの 。

三菱重工が2400kWNの大型風車の実証運転を開始
 
  三菱重工業は、定格出力2400kWの大型風力発電システムを開発、同社横浜製作所金沢工場に設置して実証運転を開始した。開発した大型風車はローターの直径が92m、タワーの高さが70m、地面から翼の先端までの高さが116mと国内最大規模を誇る。クラス最長の44.7m翼を採用し、毎秒8・5m程度の低風速域での発電性能を向上させたほか、強風下における運転停止時も強風を受け流す独自技術を採用して毎秒70m程度の猛烈な台風にも耐える設計となっている。また、翼の独立ピッチ制御という新技術で、風車にかかる風の力を低減することで耐久性の向上を図ったほか、落雷時の安全性も高めた。
 三菱重工では、世界的に導入拡大が続いている陸上用風車は、長大な翼や大型機器の輸送や建設工事に必要な大型クレーンなどの搬入経路の制約から、3千kW級を上限とする低風速地域向けの高性能大型機種の採用が主流になりつつあるとして、新型機の開発では3分割ナセルを採用するなど輸送、建設面に配慮したとしている。
同社は、1980年の初号機納入以来、国内最大の大型風力発電設備の総合メーカーとして開発、製作、供給に取り組み、これまで累計で約2300台、総出力151万5770kWを受注しており、台風や落雷、風向、風速の変動といった日本の特徴的な気象条件への対応も進んでいる。今回の実証機の運転を通じて国際形式認証の取得を進めるなどして、洋上風力発電も視野に早期の市場投入を目指すとしている

温暖化対策など本格化−第3次環境基本計画案を取りまとめ
 中央環境審議会・総合政策部会は、1月30日に会合を開き、策定作業を進めている第3次の環境基本計画の素案をまとめた。日本の環境政策の基本的な方向を定める環境基本計画は平成5年の環境基本法の制定以来6年ごとに見直し改定を行っており、今年が第3次基本計画の制定時期に当たっている。  同日開かれた部会では、第3次基本計画の概要を素案としてまとめ、この間の環境政策を取り巻く環境について、京都議定書の発効や、中国など途上国の経済発展などを大きな環境変化の要因としてとらえ、地球規模での環境保全の立場から日本の果たすべき役割という観点から、持続可能な社会を作り出すための考え方を目指し、(1)地球温暖化対策(2)物質循環の確保と循環型社会の構築のための取り組み(3)都市における良好な大気環境の確保に関する取り組み(4)環境保全上健全な水環境の確保に向けた取り組み(5)化学物質の環境リスクの低減(6)生物多様性の保全のための取り組みの6分野を重点分野として、「市場における環境価値の評価のための仕組み作り」や「科学技術、環境情報、政策手法等の基盤整備」、「環境保全の人づくり、地域作りの推進」などの推進を図ることを掲げた。今後、パブリックコメントなどの手続きを経て、年度末に開かれる予定の次回の会合で、最終的な取りまとめを行う。

西部ガスも10戸の住宅で家庭用燃料電池を実証運転
 西部ガスは1月から福岡市内を中心に、一般戸建て住宅10件で家庭用燃料電池「ライフエル」の実証試験を開始した。いずれも新エネルギー財団の「大規模実証事業」による補助金交付(05年度第2期)を受けたシステムで今後、一般家庭での実測データ収集するとともに、08年度の市場投入を目指し販売やメンテナンスの体制を整備していく 。

その他の記事
・明電舎モータ事業を再編
・三菱化工機が水素製造装置
・関西電力が高性能大容量インバータを開発
・三菱電機が風向風速計測装置
・小田急が多摩線の5駅に太陽光発電設備を設置
・東急不動産らがエコウィル付き住宅34戸を販売
・議定書発効1年でシンポジウム
・優良バイオマス事例を表彰
・ディノックスが合併
・東ガス、CNG価格を引き上げ
・川崎天然ガス発電所が建設着工
・三菱重工が原動機事業の体制強化
・三洋電機が独FWと共同開発
・NEFが成果報告会
・日立アプライアンス社長
・東芝プラント、廃食油を燃料化
・NTTファの液漏れ自動検知システム
・地熱開発促進調査3月に募集
・中小水力研修会を開催
・アジア地域のPV関連調査2件募集
・インドの省エネ調査募集
・コージェネセンターがGTとGEでセミナー
・中央防波堤に大規模太陽光
・燃料電池展に2万3千人
・4〜6月の電気・ガス料金
・優秀省エネ機器にヤンマーガスコージェネなど
・住宅省エネ判断基準改正
  etc.

シリーズ連載
・分散型エネルギーの最前線
・今を考える「企業の不祥事は何故起こるのか」
・建築計画・工事ニュース

コラム
・発電論評
・プリズム
・ちょっと一休み
・青空

新エネルギー活用に今できること【発電論評】
 新エネルギーの利用拡大を目指した取り組みの一つにRPS法があげられる。電力会社が販売する電力量の一定割合を新エネルギーを利用した電力とすることを義務づけたものであるが、日本では05年度から施行されている。施行後3年目を迎え見直しのための検証作業が開始されているが、この検証を通じて新エネルギーの利用拡大を巡っての様々な問題が顕在化してきている。
 エネルギーの集積度が低く、大規模な施設建設が難しい新エネルギーは、特に経済性の問題から、「利用義務」を割り当てられた電力会社の側には、利用量の拡大について「負担の拡大につながる」として敬遠する姿勢が強いように見える。しかしながら、自然エネルギーである風力発電や太陽光発電、また、再生可能な植物資源を活用するバイオマス発電などの利用を拡大について異を唱えるものは誰もいない。「国産資源」でもある新エネルギーの活用は、エネルギーセキュリティーの向上からも必要不可欠なものとなっている。いいことづくめのはずの新エネルギーの利用が、「経済性」という理由だけで、敬遠され、まるで「厄介者」あつかいされるのは、何かしら釈然としない思いがする。
 こうした問題の解決を図る一つの考え方が、実はRPS法見直しの論点の一つとして取り上げられている。それは、現在、発電など新エネ事業者と電力会社だけの関係に限定されてしまっているRPS法を、エネルギーの最終利用者である需要家までを対象にした取り組みとして再構築できないかという問題提起である。つまり、需要家が直接新エネルギー起源の電力を利用できる仕組みを作れば、例えば、「我が家の電力は風力発電で賄いたい」という消費者に対して、風力発電による電力を販売する仕組みを作れば、風力発電などの新エネルギーの「商品価値」が生まれ、市場原理に基づいた利用拡大が期待できるというわけである。
 特に、一般家庭用などでの利用が期待できる。自宅の庭や屋根に風車や太陽光パネルを設置できない家庭が相当数あることを考えれば、「家の電気は風力発電です」といえるのなら、コストはそれなりでもよいと考える需要家は少なくないと思われるが、そうした要望に応える市場の仕組みが現在は整備されていない。
 そういう需要家の声が直接届けられる仕組みができれば、必要な新エネ電力を確保するための投資も行われることになる。「売れる商品」となれば電源開発も活発化し、事業者と電力会社間の系統利用を巡っての問題や出力の安定化、連系量の拡大などの諸問題も解決が可能となるのではないか。まさにウィン・ウィンの関係が築けると思うのだが。